デクセリアルズ株式会社（本社：栃木県下野市、代表者：代表取締役社長 新家 由久、以下「デクセリアルズ」と表記）と株式会社Veritas In Silico（本社：東京都品川区、代表者：代表取締役社長 中村 慎吾、以下「VIS」と表記）は、2023年12月よりRNA構造についての新たな分光学的測定法の実現可能性について概念実証を重ねて参りました。このたび、その実現可能性を見通せる段階に至りましたので、高速かつ正確性が高い分光学的RNA構造測定法（以下「本手法」と表記）の確立と社会実装を目的とする共同技術開発（以下「本件共同開発」と表記）を実施することにて合意いたしましたので、以下お知らせします。

本件共同開発は、今後３年間（開始時期は今後両社の協議により決定）を予定する期間内に中程度の長さのRNA鎖についてその配列組成、二次構造、三次構造について、SHAPE法のようにあいまいさが残る構造解析手法や、NMR法のように時間と労力を要する構造解析手法をどちらも補う、RNA構造の正確でありながら高速な非破壊分光学的測定法の確立を目指すものです。本件共同開発においてVISは、自社のRNA構造への知見の活用に加えてRNA鎖の設計や構造解析、またデクセリアルズは保有する分光学的機器測定技術と機械学習、データ解析技術を用います。

VIS は現在、mRNA 標的向けに最適化した各種創薬技術からなる独自の創薬プラットフォーム ibVIS®を活用して、mRNA を標的とする低分子医薬品の共同創薬研究を複数の製薬会社との間で実施中です。この創薬プラットフォームは核酸医薬品の創薬研究にも応用可能で、すでに核酸医薬品の自社パイプライン創出にも取り組んでおります。本件共同開発の成果は、VISのibVISプラットフォームの頑健性を飛躍的に高めるとともに、RNA構造への一層進んだ理解へつながっていくものと想定しております。さらに本手法は、非破壊にして高速かつ正確性が高い手法となることが期待できるため、RNA構造学への適用のみならずRNAの製造に際しての品質検査・品質管理にも応用できるよう、今後広く公開していく方針です。

● VIS 代表取締役社長 中村 慎吾 コメント
当社はこれまで、当社のプラットフォームibVIS®を活用し、mRNAを標的とした低分子医薬品や核酸医薬品の創出に取り組んでまいりました。その根幹には、長いRNAの部分構造をインシリコ手法により解析し、創薬可能な部分構造を発見することでした。発見された部分構造は、NMR等を使用して確認しておりましたが、速度や正確性、情報量などの点で、なお改善の余地があると認識しておりました。
本手法は、これまで独立して使用されていた複数のセンサーから得られる情報を機械学習させることにより、中程度の長さのRNAについて構造情報を含む極めて豊富な情報を高速かつ正確に得られることを特徴としています。これは、従来用いられていた複数の測定手法を補いしつつ向上させるものとなり、当社はまず自社で本手法を活用していきます。また、この技術には高い応用可能性と一般性があることから、本手法を多くの方に利用いただけるよう事業化していくとともに、その利用データを活用して機械学習により精度を高め、技術的練度を一層向上させることを目指します。
当社は、本手法を通じて事業を安定化し、株主価値を向上させるとともに、科学分野の発展にも貢献してまいりたいと考えています。

● VISの今後の業績に与える影響等
本件共同開発に伴う研究費用等は両社がそれぞれ負担し、両社間での金銭等の授受は行わない方針です。したがって2025年10月14日付でお知らせした2025年12月期の業績見通しや、2026年12月期以降の業績に与える影響は軽微と見込んでおります。
今後、開示すべき事項が生じた場合には、速やかにお知らせいたします。

● デクセリアルズ株式会社について
デクセリアルズ株式会社は、スマートフォンやノートパソコンをはじめとするエレクトロニクス機器、電装化が進む自動車に欠かせない電子部品、接合材料や光学材料など、機能性材料の開発・製造・販売を手掛けています。また、さらなる成長と持続可能な社会の実現に貢献していくための起点として「Empower Evolution. つなごう、テクノロジーの進化を。」を自社のパーパス（経営理念と企業ビジョン、パーパス | 会社情報 | デクセリアルズ株式会社）としてかかげています。

・会社名：デクセリアルズ株式会社
・本社：栃木県下野市下坪山1724
・代表者：代表取締役社長 新家 由久
・設立： 2012年6月20日
・公式ウェブサイト：https://www.dexerials.jp/

以上