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2025.09.24

東京慈恵会医科大学と Veritas In Silico、抜本的な医薬品主作用 の亢進と副作用の低減を目的とした共同研究開始のお知らせ

東京慈恵会医科大学 総合医科学研究センター 再生医学研究部(東京都港区、教授 岡野ジェイムス洋尚、講師 太田裕貴)と株式会社 Veritas In Silico(本社:東京都品川区、代表者:代表取締役社長 中村 慎吾、以下「VIS」と表記)はこのたび、医薬品を効率的に標的臓器へ投与することにより、主作用の亢進、副作用の低減、医薬品使用量の削減を達成する抜本的な新規治療法・薬剤投与法の開発を目的とした共同研究(以下「本件共同研究」と表記)の実施について合意し、共同研究契約の締結に至りましたので、以下お知らせします。

● 本件共同研究の目的、役割分担
医薬品は有効成分が標的臓器へ到達しないこと、標的外の正常組織にも作用することが、治療の継続や患者さまの QOL を著しく損なう要因となります。本件共同研究では、医薬品を標的臓器に効率よく投与することにより主作用を最大化しながら副作用を最小限に抑えつつ、使用量を削減し、高い治療効果を維持できる新規治療法・薬剤投与法の開発を目的とします。
本件共同研究において、東京慈恵会医科大学は、in vivo 動物評価系*1 の構築、当該評価系を用いた医薬品の薬効評価ならびに当該動物モデルを用いた治療コンセプトについて、概念実証を分担します。VIS は、治療コンセプトの概念実証に用いる医薬品候補物質のデザインと合成ならびに in vitro 評価*2 を分担します。

● 研究代表者
東京慈恵会医科大学 総合医科学研究センター 再生医学研究部 太田 裕貴
Veritas In Silico 新潟研究所 主任研究員 髙田 遼平

● 本件共同研究の期間
2025 年 4 月 1 日~2028 年 3 月 31 日までの3年間
※ すでに予備的な研究を開始しており、その研究成果を本件共同研究に活かすため、本年 4 月 1 日
に遡っての期間設定となります。

● 東京慈恵会医科大学 総合医科学研究センター 再生医学研究部 太田 裕貴 コメント
本学の強みは、世界的にも数少ない、血管のみを高精細に描出する動物専用血管造影装置を有し、さらに小動物の全身血管にアプローチできる“Ohta Method”を駆使できる点にあります。
本共同研究を通じて、これらの独自技術と VIS 様の創薬技術を融合し、対象臓器でのみ高い治療効果を届ける新しい治療システムを開発し、社会に還元します。この取組みが次世代の標準的治療法の創出につながるものと確信し、挑戦して参ります。

● VIS 執行役員 研究戦略部長 笹川 達也 コメント
このたび当社が核酸医薬品について想起している課題につき、その抜本的解決を東京慈恵会医科大学様と取り組めることに大きな期待を感じています。また、本件共同研究においては、私たちの技術が、太田裕貴先生のもとで新たな研究に応用されることに喜びを感じております。
本件共同研究は、東京慈恵会医科大学様の臨床現場に対する知見の深さ、本件共同研究を担当される太田裕貴先生による先進的なご研究と“Ohta Method”、VIS の想起した手法と創薬プラットフォーム ibVIS®の相乗効果により、核酸医薬品の迅速な創出を目指す取り組みとなります。
この研究プロジェクトは核酸医薬品の各種問題点を抜本的に解決する試みとなりますため、東京慈恵会医科大学様と弊社のメンバーが一体となり、核酸医薬品の真の実用化に向けて邁進したいと考えております。

● 本件共同研究の実施にともなう VIS の業績への影響
本件共同研究にともなう研究費用は、東京慈恵会医科大学、VIS それぞれが自己負担し、金銭等の授受は行わない予定です。そのため、VIS の 2025 年 12 月期以降の業績に与える影響は軽微と見込んでおります。
なお今後、開示すべき事項が生じた場合には、速やかにお知らせいたします。

(ご参考)用 語 解 説
*1 in vivo 動物評価:実験動物の生体内に物質を直接投与し、その生理的・薬理的反応や効果を評価する手法です。医薬品や治療法の有効性や安全性を確認するために、医薬品の研究開発で広く
用いられます。
*2 in vitro 評価:生体由来の細胞や組織を用いて、培養器や試験管内などの人工的な環境で行う評価方法です。動物体内で行う試験(in vivo 試験)の代替法として、動物愛護の観点や、短期間か
つ低コストで特定の作用機序の解明や候補化合物のスクリーニングを行う際に用いられます。

以 上