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HOMENEWSNews2023.01.18

2023.01.18

Veritas In Silico、mRNA解析技術をmRNA医薬の配列設計に応用

~mRNA解析の機能拡充で創薬プラットフォーム「ibVIS」はver. 2.0へ~

株式会社Veritas In Silico(以下「当社」という)は、主事業のメッセンジャーRNA(mRNA)を標的とした低分子創薬事業を通じて、当社創薬プラットフォーム「ibVIS」の基盤技術であるインシリコによるmRNA解析技術について、大幅に機能拡充を行いました。これにより、mRNA標的に対する低分子、核酸創薬にとどまらず、このたび、mRNA創薬に関するサポート事業を開始しました。

近年、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対するmRNAワクチンが世界で初めて実用化したことで、特定のタンパク質の情報をコードしたmRNAを人工的に合成し、体内に投与することで治療や予防効果を得るmRNA医薬が、新たな創薬モダリティとして注目を集めています。mRNA医薬は、主に皮下注射で投与することになりますが、mRNAがどのような配列であれば安定性が高く、必要な部位に届き、タンパク質が効率的に合成されるかについては、未だ完全には解っておりません。その理由としては、mRNAが注射器に充填された状態や体内に投与された状態でどのような立体構造をとり、その立体構造がどのようにワクチンや医薬品としての効能に影響するかなど、mRNAの構造に関する知見が不足していることが考えられます。
当社は、mRNAの立体構造をその存在確率や各種熱力学的パラメーターにより解析することで、これまでに9社の製薬会社とmRNA構造を標的とした低分子創薬研究を実施しており、これらの共同創薬事業を通じて、mRNA解析技術の機能拡張を重ねてきました。このような実績および技術力の強化により、mRNA医薬として適切な構造や、それを実現するための配列設計に関する知見も十分に蓄積されました。

当社は今後、当社のmRNA解析技術を活用し、mRNA医薬の安定性や凝集などmRNA医薬が抱える各種課題に対して、mRNA配列設計の観点から解決策を提示してまいります。実際に、mRNA解析技術のmRNA医薬への応用のケーススタディとして、mRNAワクチンではなく、タンパク質補充療法を代替しうるmRNA医薬療法の実現を目指した創薬プロジェクトを開始しています。具体的には、ライソゾーム病のうち、ファブリー病とハンター病の患者様で欠損しているタンパク質(αガラクトシダーゼ、イズロン酸2-スルファターゼ)のmRNAを投与するため、αガラクトシダーゼおよびイズロン酸2-スルファターゼをコードするmRNA医薬として最適なmRNA配列の設計を進めています。

当社は、mRNAの化学・生物学に関するエキスパートとして、mRNA関連創薬でより多くのアンメットメディカルニーズに応えていくため、今後もさらなる技術力強化に努めてまいります。

以上