私たちVeritas In Silico は、mRNA上に創薬標的となる部分構造を発見するaibVISと、その標的構造を検証し化合物スクリーニングを実現する実験技術(Biology)を併せ持つことによって、mRNAを標的とする低分子創薬および核酸創薬を実現します。
株式会社Veritas In Silico(以下、当社)は、インシリコRNA構造解析技術をはじめとした各種特化型AI群(AI)と創薬技術(biology)を統合した aibVISプラットフォームを活用してmRNA標的医薬品の創出を主事業としており、製薬会社との共同創薬研究等を通じて、 mRNA標的低分子医薬品の創出に取り組むとともに、自社パイプラインにて核酸医薬品の創出にも取り組んでいます。
従来の創薬手法では難しかった疾患への治療法提供を目指し、独自のAI創薬プラットフォーム「aibVIS」を活用する革新的なアプローチにより、医薬品市場の新たなフロンティアを切り拓いていきます。
mRNAは、人間の体内で生成されるタンパク質の遺伝情報の「設計図」です。近年、低分子医薬品の創薬研究において標的タンパク質の枯渇が指摘される中、mRNAを制御することができれば、標的タンパク質の機能を医薬品で直接制御する場合と同様に、従来の創薬手法では困難だった様々な疾患を治療することが可能になります。そのためアンメット・メディカル・ニーズ(未だ満たされない医療ニーズ)の充足や、「創薬標的の枯渇」の解消につながることが期待されます。しかし、mRNAは1つの決まった構造をとらず、創薬研究を始める際に精密な構造の解析を行うことが困難であるため、mRNAを創薬標的にして低分子創薬を実施することは難しいという業界の認識がありました。
当社は、このmRNA創薬の課題を解決するため、独自のAI創薬プラットフォーム「aibVIS(エーアイビス)」を開発・進化させてきました。aibVISは、インシリコRNA構造解析技術と実験技術を融合させ、複数のルールベースAIとデータ駆動AIを組み合わせることにより、効率的かつ確実なmRNA標的創薬を可能にしています。
aibVISの最大の特徴は、mRNA上に存在する「鍵穴」となる部分構造(ターゲット構造)を、統計力学・熱力学理論に基づいたインシリコRNA構造解析により、高速かつ網羅的に探索・特定できる点です。これにより、これまで創薬標的とすることが難しかったmRNAの特性を克服し、低分子医薬品が結合できる安定な構造を見出すことを可能にしました。
aibVISは、以下の創薬プロセスをワンストップで提供します。
1. ターゲット探索
NCBIデータベースからmRNA配列データを取得し、当社独自のRNA構造解析ソフトウェア「MobyDick®」を用いて、低分子医薬品の標的に適したターゲット構造を特定します。このターゲット探索の達成率は約98%を誇ります。
2. スクリーニング
改良されたFRET(蛍光共鳴エネルギー移動法)である「qFRET」により、数万から数十万の化合物の中からターゲット構造に結合する「ヒット化合物」を高感度・高速で取得します。スクリーニングの達成率も約96%と非常に高く、データ駆動AI「AISLAR」の導入により更なる効率化が期待されます。
3. ヒットtoリード
ヒット化合物の妥当性を細胞実験で確認し、「細胞内での効果」を検証します。BLI、ITC、NMRなどの分析技術を用いて、結合の強度や特徴を詳細に解析し、次の段階の「リード化合物」を選定します。
4. リード化合物最適化
ターゲット構造と化合物の複合体の三次元構造をNMRやX線結晶構造解析で実測し、量子化学計算を用いて医薬品候補化合物の活性や物性を最適化します。自社製作ルールベースAI「search4loop」により副作用予測も行います。
aibVISは、mRNA上に創薬に適した部分構造を効率的に発見し、ターゲット構造を定める能力において、競合他社に対する明確な優位性を持っています。この技術は、日本、欧州、米国で特許「RNAの機能を制御する化合物のスクリーニング方法」として権利化されており、さらに自社開発のAIソフトウェアの秘匿化により、プラットフォーム全体の独占性を二重に担保しています。
当社は、製薬会社に技術を提供する「プラットフォーム型」のビジネスと、自社でパイプライン(新薬候補)を創出する「パイプライン型」ビジネスを手掛けています。
1. プラットフォーム事業で手掛ける研究活動
プラットフォーム型」ビジネスでは、複数の製薬会社との共同創薬研究を通じて、mRNA標的低分子医薬品の創出を進めています。低分子医薬品は飲み薬として経口投与が可能で、製造コストも低いという利点があり、多くの患者さまに広く治療を提供できると考えられます。 現在、最も進んでいるプロジェクトは「リード化合物創出」段階にあります。
2. パイプライン事業で手掛ける研究活動
当社の自社パイプライン事業では、核酸医薬品(ASO)の研究及び開発に積極的に取り組んでおります。希少疾患を主な対象とし、医薬品候補化合物を最短8ヶ月で取得できる強みがあります。
現在、パイプラインの1本目としてp53遺伝子を標的としたASO(心臓血管手術後の急性腎不全予防薬)の開発に取り組んでおり、2025年12月に物質特許を出願しています。
また、筋萎縮性側索硬化症(ALS)や原発性肺移植片機能不全を対象としたASOプロジェクトも進行中です。
また今後の自社パイプライン開発の目玉となるのが、当社独自のドラッグデリバリーシステム「Perfusio(パーフュージオ)」です。これは、一組のカテーテルを用いて治療対象臓器に医薬品を直接投与・回収するシステムで、治療効果を高めつつ副作用を軽減し、臨床試験期間とコストを大幅に短縮する可能性を秘めています。
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当社は、川崎研究所(基盤技術、プラットフォーム研究)と新潟研究所(細胞評価、パイプライン研究)の二拠点体制で研究開発を進めており、アカデミアとの共同研究や、デクセリアルズ株式会社との高速・高精度なRNA構造測定技術の共同開発など、外部との連携も積極的に行い、技術競争力の強化を図っています。
当社の中期的な経営目標は、2030年を目途に「スペシャリティファーマ」としての地歩を確立することです。mRNA創薬技術の応用範囲は広く、将来的な事業の多角化として、農薬分野への応用や、Perfusioシステムの他社へのライセンスアウトなども視野に入れています。
当社は、AI創薬の力でmRNAを標的とする新たな医薬品を創出し、未だ治療法のない疾患に苦しむ患者さまに希望をもたらすため、挑戦を続けていきます。